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取材記録17 取材らしくない取材

取材記録17 取材らしくない取材

おはようございます。
 午前8時半、市内某所集合。車4台に分乗し、芽室町の郊外へ。ずっと気になっていた場所だが、訪れるのは初めて。できれば晴れてほしい場所。雨ときどき曇りといった天気。ところどころぬかるんでいるところを歩く。それもまた楽し。参加者全員、たぶん初めてと思われる体験をすることとなった。最初の取材後、僕はいったん出社&帰宅。午後3時半、帯広市内のある場所を撮影。みんなと合流したのは5時。取材というよりも、プレゼンを聞くといった感じ。話を聞くことができたのは1時間弱。スロウの取材は後日ZOOMでということになった。

熱量と広がり

昨日は雲をつかむような取材となりました。過去に経験した「取材らしくない取材」ベスト5に入りそうです。これはおもしろいことになるかもしれない。そんな予感がしますし、今回の取材とは直接関係ない話が実に興味深いものでした。ただ、よく考えるとすべてがつながっていますから、このあたりを含めて記事にするほうがよいのかもしれない……。
 あれこれ考えながら、ページの構成を再考することになりそうです。実は何を隠そう、今回の取材ではあらかじめページ構成を決めていて、僕としては生まれて初めて取材前にラフレイアウトを紙に書いていたのでした。やはり、自分に合わないことはすべきではありませんね。取材してから記事の方向性を考える。写真的な記事の作り方に徹するべきなのでしょう。
 「写真的」とはどういうことか? 写真は被写体あっての写真ですから、被写体が自分の思い通りになることはありません。被写体をそのまま受け入れ、それをどう解釈するのか。ここが撮影では一番重要なところ。僕は、写真ばかりではなく、ライターとして取材する際にも、取材相手あっての取材をすべきだと考えています。当たり前と言ってしまえばそれまでなのですが、そうではない取材をする人もたまにいます。最初から記事内容を決め込んで取材するというスタイル。
 スロウは徹底した現場主義を貫いていますから、そのようなことはありません。取材後に記事の中身がガラリと変わることがある。この変化がおもしろいんですね。すべてが想定内だったら、取材する楽しさは半減してしまうような気がします。
 もともと、昨日は取材というよりも、あるプロジェクトに同行してチャンスがあれば取材させてもらうというものでした。撮影ができれば御の字。ただ、想像を超える広がりを感じましたから、これから記事にするための取材を丹念に行う必要がありそうです。
 昨日の取材で感じたこと。それはみんなものすごく熱心であるということ。これはもしかすると、スロウ次号の特集記事の共通項といえるのかもしれません。エネルギーというか、熱量が大きいからこそ、そこに人が集まってくる。あるいは、集まりたくなる。熱心な人のところに、同じように熱心な人が集まってくる。そんな構図となっているに違いありません。
 これを自社に置き換えると、熱心に仕事をする人のところに「熱心に仕事をしたい人」が集まるということになる。その核となる「熱心な人」が何人いるかによって、会社全体の熱量が違ってくる。情熱を秘めている人、いい仕事をしたい人、人の役に立ちたいと思っている人は多い。ただ、それを全身で表現できる人はさほど多くはない。夢中になって突っ走ることのできる人は企業内では稀な存在かもしれません。
 それが当たり前のようにできる会社が成長するのだ。そんな事例を見たような気がします。
 数年前から、日本の進んでいく方向性はかなり明確に見えてくるようになってきました。先行き不透明だが、方向性は明確。そんな中、同じような考え、同じようなアイデアを持つ人がほぼ同時期に現れてきます。そこで問題となるのは「形にできるかどうか」。熱量の高い人、組織が形にすることになるでしょう。自分が熱源となるか、そこに飛び込んでいくか。形にするにはそのどちらかしかありません。

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