
おはようございます。
午前10時15分、池田で取材。道を間違えて15分遅れてしまった。気持ちのいい天気。いい写真が撮れたと思う。午後1時20分、K氏が印刷見本を持ってきてくれた。マイクロ文字が印刷されているSKSの25倍ルーペでのぞいてみる。0.8ポイントの文字も、つぶれずにしっかり表現されている。グレーの罫線かと思っていたところも、罫線ではなく「文字」だった。通常のルーペで読むことはできるのか? 今度は4倍のpeak ルーペで試してみる。かろうじて、文字であることがわかるという程度。ちゃんと計算してはいないが、ハガキ大の紙に文庫本一冊程度の文章が収まるのではないか。もっとも、これを読もうという人はいないだろうが……。1時半、S社さんがロールスクリーンの取り替えと新規取り付けに来てくれた。気になっていた冬の直射日光問題も解決。半年後には効果が判明するはずだ。2時からは写真セレクト作業。いつの間に撮影データがたまっている。夕方、出張準備等。
文章力の正体
文章を書くのが苦手という人は多い。もっとも、謙遜して「苦手」という人もいます。謙遜というよりも、目指しているレベルが高いのかもしれません。
その逆に、本当に苦手なんだろうなぁ……と思われる人も少なくありません。それには、「根本的な日本語能力に問題がある」「書くべき事柄がない」「書きたいことが頭の中でこんがらがって文章化できない」の3通りがあると僕は考えています。
書きたいことがこんがらがる。そんなタイプの人は、ぜひ拙著「写真家的文章作成技法」(クナウこぞう文庫)を読んでいただきたいと思います。もし、その通りのタイプであれば、最短3週間で文章が書けるようになるでしょう。日本語能力に問題がある人の場合は、日本語の習得から始めなければなりません。数年を覚悟する必要があります。書くべき事柄のない人は、自費出版とは無縁ですからここでは考慮する必要はなさそうです。
世の中には、文章の書き方を教えてくれる本が数多く出回っています。僕も何冊か読みました。そして、思ったのです。「書きたくても書けない」と切実に思っている人の気持ちがわかっている著者は案外少ない。文章力指南役の人の中には「このくらいできて当然」といった考えが頭のどこかにある。もしかしたら、僕の中にもありそうです。本当にやさしい文章作成技法を伝えられるようにならねばなりません。
スロウ前編集長のM氏は「小学生にも理解できるような文章を」と編集部員に伝えています。小学生も高学年ともなると、けっこう高度な本を読んでいたりする。小学校3、4年レベルかな? 10歳前後の子供に伝わる文章。そのあたりを心がけてみましょう。
そうすると、ひとつの文の文字数は少ないほうがよいということになります。また、難解な漢字は使わない。すでに「難解」という言葉が難解です。「むずかしい」に言い換える。文章を書いていて頭がこんがらがる人の特徴のひとつは、むずかしいことを書いているうちに、自分で訳がわからなくなること。ミイラ取りがミイラになってしまうのです。
子供向けに書かれている本には、むずかしい文章表現はないはずです。その手法をいったん見習ってみる。その上で、専門的な事柄を盛り込んだり、表現の幅を広げるなどしていく。
むずかしい文章表現を使わなければ、レベルが低く思われるのではないか? そんな余計な心配をする必要はないのです。むずかしい事柄をむずかしく書くのは並レベル。むずかしいことをやさしく表現するのが、目指すべき文章表現力なのです。もちろん、やさしい事柄をわざとむずかしく書くのは論外ですね。
つい、むずかしく書いてしまうという人は、「自分は児童書を執筆しているのだ」と思い込むようにしましょう。「児童書」としていったん書き上げてから、校正の段階で大人化していくという方法もおすすめです。