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一から始める自費出版19 細部の扱い

一から始める自費出版19 細部の扱い

おはようございます。
 午前9時15分、会社前で待ち合わせ。同友会とかち支部事務局K次長と会員企業訪問。2社でさまざまな話を聴くことができた。午後1時、某プロジェクトのミーティング。着実に進んでいる。技術面も問題なさそうだ。4時からは役員会。議題は多いが、予定通りの時間で終える。

細部の扱い

原稿執筆時に気をつけるべきことのひとつは、「細部にこだわりすぎない」ということですね。これは僕の経験から述べています。細部にこだわりすぎると、ものすごく遠回りをすることがある。遠回りをするうちに、本題から外れていったり、せっかくまとまりかけていた考えが霧の中に隠れてしまったりするのです。
 今でも僕が陥りがちなパターン。それは、ある事柄が本当に事実なのかどうか確かめようと、ネットで調べまくること。原稿を書く前であればよいのですが、執筆途中で調べ始める。当然、執筆を中断することになる。この時点で大幅なロスが生じます。さらに、調べることが目的となり、何を書いていたのかすらわからなくなってしまうことが少なくありません。そうして、気づくと「原稿を書いている自分」に戻れなくなる……。
 これは細部にこだわりすぎた結果の過ちといえます。正確を期すのはよいことなのですが、原稿を書いている最中だけは避けたいもの。ネットで即座に調べられる、と安易に考えると痛い目に遭うことになるでしょう。
 少なくとも、小見出しひとつ分は一気に書き上げる。そんな気持ちを持つ必要があります。おおよそ、8割くらいの完成度をイメージして「いったん書き上げる」ことを目指すのがよいのではないでしょうか。
 完璧な人間がいないのと同様、これで完璧という文章は存在しません。自分の書き上げた文章を読み返すと、必ずといってよいほど明らかな間違いが見つかるものです。
 事実かどうか、正しい日本語かどうかは、書き上げた後にチェックすればよいだけ。僕もそのことは重々承知しています。だが、性格なのでしょう。今も、細部にこだわって遠回りすることが多々あります。僕の癖はなかなか直りませんが、それでもここ10数年、ブログを書き続けるうちに「アバウトな書き方」ができるようになってきました。
 僕のブログを読んでいただければわかると思います。文章という点では修正すべき箇所が多い。中身を考える時間を含め、おおよそ1時間以内に書き上げるようにしていますから、かなりおおざっぱな書き方です。これを書籍化する場合には、大幅な修正が必要となるでしょう。
 それが正しいやり方だと思うほうが安心して原稿を書き進めることができるに違いありません。
 その代わり、推敲と校正には十分な時間をかけることが大切です。事実関係の確認はもちろんのこと、正しい日本語かどうか、適切な文章表現となっているか。修正だらけになることもあるでしょう。それでも、執筆途中で遠回りするよりもはるかに時間を節約することができるはず。
 冒頭で「細部にこだわりすぎない」と書きましたが、推敲、校正段階では細部に大いにこだわるべきではないかと僕は考えています。
 長年、雑誌や書籍の仕事をしていると、書き手によって言葉に対するこだわりがあることに気づきます。スロウ編集部内でも用語が統一されているわけではありません。ある程度のガイドラインはあるものの、最終的には書き手に委ねられる。
 たとえば、「生かす」と「活かす」のどちらを使うべきか。議論しても結論は出てきません。活用というイメージで使う場合は後者ですが、人間の持つ本質的な能力を引き出そうとする場合は「生かす」に違いない。僕はそう考えて使い分けています。しかし、一律に「活かす」を使っている人もいます。そうした、ちょっとしたこだわりの中に書き手の哲学、人間性、考え方が表れる。細部へのこだわりは、決して無駄な時間ではないのです。

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