製本の仕方いろいろ
印刷した紙を折ったり、綴じ合わせて本の形にすることを「製本」といいます。打ち合わせや取材、撮影、校正を重ねて印刷した後の、「最後の仕上げ」です。自社で作る雑誌なども、印刷された紙が製本されて工場に積み上げられているのを見ると「ああ、頑張って作ったな~」なんて、しみじみしてしまうわけで…。製本課スタッフは、一番にその感動を味わえる部署なのですね(羨ましい)!
普段は何げなく手にしているパンフレットや冊子類ですが、製本の方法にはいくつか種類があるので、その一例をご紹介します。印刷物を作る際は、「仕上がり」にもしっかりこだわっていきたいところです。
二つ折り
紙を半分に折り曲げる仕上げ方。例えば、A4の紙を長辺の真ん中で折ると、仕上がりはA5サイズ4ページになります。ちょっとした冊子のようにも見えるため、1ページ目と4ページ目をそれぞれイメージ重視の表紙と裏表紙にして、開いた内側に商品や店舗の詳細を載せるなど、工夫の幅が広がります。
巻き三つ折り
用紙を3等分して、内側に折り曲げる仕上げ方。施設や店舗のパンフレットなどに、A4サイズを三つ折りにしたものが多い印象です。3分割は作りやすく、使いやすいのがポイント。それぞれの面でPRする項目を分けることで、情報もすっきりします。平積みよりも、ラックなどに立てて置くと目に入りやすい形状です。
観音折り
その名の通り、観音開きのような仕上げ方。4等分した用紙を両サイドから内側に折り曲げます。規定の用紙サイズではちょっと小さい…。そんな時に、用紙をひと回り大きくして観音折りにすることが多いです。また、折り目によってできるブロックが三つ折りよりも多いため、煩雑な情報をまとめる時にもぴったり。三つ折り同様に、縦置きに強い折り方です。
A4サイズなどで観音折りをすると細長い仕上がりになります。仕上がりの印象を変えたいときにもチャレンジしてみて。
無線綴じ
糸や針金を使わずに、表紙と中身を接着剤で貼り合わせる製本。書籍や、厚みのある雑誌などはこの方法で製本しています。背表紙ができるので、かなり立派な印象になりますよ。
例)スロウ、しゅん、ぺこぐうなど
針金中綴じ
二つ折りにした表紙と中身をページ順に重ね合わせて、表紙から見開きページまでを針金で綴じる製本。薄めの雑誌やパンフレット、カタログなどに使います。
例)チビスロウ(52P)など
スクラム製本
ソーゴー印刷では“中はさみ”と呼んでいます。針金を使わずに、2つ折りの紙を重ねていく中綴じ製本です。新聞などがこの方法ですね。
例)広報誌など
いかがでしょうか? ここでご紹介したのは一部ですが、印刷物にはさまざまな「仕上げ方」があります。印刷物を作るときは、実際に使用する状況まで考えながら、出来上がりの形や製本方法を検討しましょう。